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整理してたら出てきたブツ。
以前(11/14)日記に書いてたネタを文章化したもの。
冒頭部分だけですけど。
せっかくなので↓
赤、黄、緑、橙……自分の見る世界は、いつでも色で溢れていた。
人の感情が色となり、気――南蛮語で「おぅら」と言うらしい――になって自分の目に映るのだ。
幼い頃はこれが普通なのだと思っていたが、どうやら違うらしい。
母が言うには、私の祖父もそうであったということなのでつまりは遺伝なのだろう。そういうこと。
まあ、人の起伏が色になって見えるからといって別段困ることもなかった。
むしろオーラが見えることによってその人の現在の気分を知ることができ、「気配り上手な子」なんて思われていた。
人だけではなく動物などの感情も理解することができたから、山でよく遊んだりもしていた。
それがいけなかったのだと思う。
山で遊ぶだけならともかく、猿や犬、栗鼠、果てには熊や狼とまで仲良く遊ぶ私の姿を見た村人たちは恐怖した。
「異端者」「忌み子」として、村八分にされた。
父はもともと病死していなかったのでどうでもよかったが、今まで女手一つで育ててきてくれた母までもが倒れた。
石が投げられ、罵声を浴びる。
そんな生活に疲れてしまったのだろう。
それでも母は、元凶である私のことを変わらず愛してくれた。
それだけが、救いだった。
幸せだった。
母がいる、ただそれだけで十分だった。たとえ村八分にされていても構わなかった。
だけど、そんな私の思いとは裏腹に母は日に日に弱っていく。
食事を受け付けず、床に一日中伏せっていた。
「タクト……」
「なに、母さま」
「いい、タクト。母様が死んだら、忍術学園へと行きなさい」
「……やだ。母さまは死なない。母さまとずっとここにいる」
「いいから……忍術学園へ行けば、こんなに辛い思いをすることもないし、友達だって出来るわ」
「やだ。母さまだけがいればいいもん」
「タクト……これは母様のお願いよ。最期の、おねがい」
「母さま!死んじゃだめ!」
「いい子よ、タクト。幸せになってね……。かあさま、タクトのこと、だい好きだか、ら……」
母さまは、それだけ言うと動かなくなった。
揺すぶっても、呼び掛けても、ピクリとも動かない。
死んだ、のだ。
つうぅと涙が頬を伝う。
母さまは、山へ埋めた。
動物たちに母さまを食べないように言い聞かせて、少ない荷物をまとめると動物たちに別れを告げて村を出た。
向かう先は忍術学園。
母さまのものを整理していたら、手紙と、学園への紹介状。
これさえあれば、学園に入ることが出来る。
学園に行くのは、母さまの遺言だから。
「幸せになりなさい」その言葉を守るために。
9歳の、秋のことだった……。
続きを書く気力は今のところない。